許諾を得て雑誌Automotive Manufacturing & Productionより再掲載 – 著作権2000年1月
トランスガン抵抗溶接作業のために特別に設計されたATI Industrial Automationのロボット式ツールチェンジャ(Apex, NC)が立ち上げられました。溶接タスクを行うためだけではなく、しばしば時間を浪費し、そのために全体の生産性を低下させてしまう必須メンテナンスを容易にするためです。
高出力接点を持つロボット式ツールチェンジャを扱う典型的なルーチンは次のとおりです。
(a)
高出力コンポーネントを分解します。
(b)
ケーブルを外します。
(c)
接点を取り外し、交換します。
(d)
チェンジャを組み立て直します。
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容易にメンテナンスでき性能に信頼を置けるよう設計されたロボットツールチェンジャ
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これは、時間の浪費であるばかりではなく、労働集約型で費用もかかります。そのためSW-150Aツールチェンジャは、厄介な3つのメンテナンス問題を改善するのに役立てようと設計され、開発されました。
本質的には、インターフェイスプレートを備えたロボットに取り付けるマスタプレートがあります。そして、ツールプレートがマスタプレートに取り付けられます。マスタプレートとツールプレートの取り付けは、Rc58に硬化させた440ステンレス鋼製のエア作動機構を介して行われます。特許権を有するボールロックデバイスにより、2枚のプレートが3,600ポンドを超えるクランプ力で合わさります。(突然空気圧が抜けてもプレート同士を離さないフェイルセーフ機構があります。)スポット溶接ガンは、ツールプレートに取り付けられます。
SW-150Aの積載物容量は440ポンドです。
根本的には、新しいツールチェンジャの設計が対処する問題は、電気接点の汚染です。溶接操作で起こる問題のひとつは、フラットな接点が相手アセンブリに接続しないことで、接点が汚染されている可能性があります(例えば溶接スラグで)。そして使用に戻すと、ある故障モードか、もうひとつの故障モード(例えば過熱、アーク、ピット)により接点不良となる傾向にあります。
ATIエンジニアが行ってきたのは、フラット接点使用の先を行くことと、オス型とメス型の接点を使用することです。接点の定格は200A、デューティサイクル25%、660Vです。オス接点はツールアセンブリにマウントされ、メス接点はツールチェンジャのマスタアセンブリにマウントされます。円錐形接点は、硬くて伝導度が高く、融点の高い素材であるロジウムでメッキされています。ロジウムを使うメリットは、よくあるような溶接スラグが問題を起こす可能性が低いことです。
SW-150Aの接点は六角レンチで取り外して交換できるように設計されていますが、マスタプレートはロボットに接続したままで、ツールプレートはガンに取り付けたままです。ATIによると、この設計のおかげで交換は数分でできます。以前は何時間もかかる場合がありました。
ツールチェンジャのもうひとつのモジュールは、流体/エアモジュールです。繰り返しになりますが、ここでの目標は容易にメンテナンスできることです。例えば、流体ポートが詰まった場合には、六角ソケットレンチでポートを取り外せます。ポートをクリーニングして戻したら(これは2分以内にできます)、業務に戻れます。
このモジュールのもうひとつの特徴は、Zicorと呼ばれる材料でコーティングされたマニフォールドです。ここでの利点は、陽極酸化材料とは異なり、Zicorは高pH水で剥がれ落ちないことです。モジュールの特徴としてシール性があり、エアと流体のポートをシールします。そして低摩擦シールはバルブシールの固着を防ぎますので、マスタがツールから離れると、すぐにシール状態となります。
流体モジュールは大量の水の流れを維持し、ガンとトランスを冷まします。流量で測定するのは容量係数(Cv)であり、これは1.0 psiの圧力降下でポートを流れる1分あたりのガロン数です。SW-140AのCvは1.7です。
最後に、シグナルモジュールがあります。これは、1~8個のツールから選択できるツールIDオプションを用いると、取り付けられます。シグナルモジュールはロバストであるようにも作られています。例えば、マスタとツールの両プレートにある電気スプリングピン接点は、ロジウムでメッキもされています(ロジウムは金や銀よりも高性能です)。—GSV
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